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吹コン2024 課題曲4④

更新日:2024年6月9日

今回は練習番号Aからになります。


いよいよ第1マーチが始まるわけですが、ポイントは「抑揚をつけすぎない」ことかなぁと思います。

同じフレーズが繰り返し登場するので、最初から味付けが濃いとすぐに飽きてしまうのと同じ理屈。

コース料理のように、最初はあっさりとしたものからスタートして、徐々に個性を表現していくのがベストでしょう。

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第1マーチは曲の基本的な要素を示している部分となっています。

大切なのは「音価」と「シンコペーション」の2つ。


この視点を基本に、主旋律とその他にわけてまとめます。


まずは主旋律。


アウフタクトスタートになりますが、ここもシンコペーションの意識が大切で、8分音符=弱奏、4分音符=強奏のようなイメージになります。

ただし、あくまでの音符間で差をつけるだけなので極端な差にならないようにしてください。

ここでありがちなミスが、4分音符の音価になります。

休符もあるのでどうしても短くなりやすい部分。次の拍頭まで音価を保つ意識が必要です。

23小節目には基本的なシンコペーションが登場します。

ご丁寧にアクセントまで記譜されていますが、このアクセントはシンコペーションを意識するための記譜だと思います。決して強く!ということではなく、前後で差をつけることを意識するといったニュアンスです。

音型も跳躍してますので、音楽的にも自然と強くなっていくように作られてますね。


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24小節目はリズムが変化してますがここも基本のシンコペーション。

ただし下行形ですね。

前半が上行形で「明るさ」「前向きさ」などをイメージしているのに対して、ここから若干雰囲気が変化します。ここははっきりとした対比が必要かと思います。

25小節目と27小節目の1拍目が重さの頂点になる音ですので、ここに向かって押し下げていくような表現が必要です。

そう考えるとフレーズの自然なダイナミクスがイメージできるのではないでしょうか?

繰り返しになりますが、(付点)4分音符の音価は大切ですよ!


32小節目からは24小節目と同様の展開ですが、33小節目1拍目の音は前半ほど重さはかけないほうが良いでしょう。

ここは次の第2マーチにつながる部分への転換点となるので「ちょっと雰囲気変わった?」と思わせるような工夫が必要な部分であることが理由です。



ここからはリズムセクションを見ていきます。


繰り返しになりますが、ハーモニーの主体はトロンボーン。

ぶっちゃけトロンボーンがこの曲の彩りをすべて決めていると考えても過言ではないレベルで演奏技術が求められます。

当然、単純な3和音だけではありませんので、意味のある練習を繰り返しやってきたのかを問われていると思って練習しましょう!

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低音は基本のコード進行を意識しましょう。

例えば23小節目はE♭(トニック)スタート、主旋律が跳躍していくポイントですので、この2小節をどう表現するのがいいと思いますか?

対比となる26小節目~28小節目にはB(ドミナント)がでてきます。

ドミナントは「不安定さ」「緊張」の音ですのでそのようなフレーズ感が求められます。

難しいレベルの内容では無く、演奏していて自然に感じる部分だと思います。

そこを丁寧に表現していくことが大切です。


ポイントとなるのはスネア。

23小節目と30小節目のロールは、曲を推進させる起爆剤のような音になります。

スネアをきっかけに低音のトニックが入り主旋律は跳躍していきます。

この流れを意識した曲作りをしましょう。

28小節目にもロールがありますが、ここはニュアンスが異なります。

23小節目を例えるならクレッシェンドのイメージが近いですが、28小節目はフレーズのつながりや繰り返しの意識が大切になるので、低く支えるような力強さが感じられる音が欲しいところ。

ティンパニも入ってくるので自然と雰囲気は変化していきますが、どんな表現をしたいのかしっかりと合わせておかないとチグハグな演奏になってしまいます。

記譜上では同じようにしか見えない部分ですが、細かいところに拘ることが自分たちの演奏に繋がっていきます。


35~36小節目の中低音はトニック→ドミナント→トニックの基本的な終止形(カデンツ)になります。

ここもシンコペーションと同じように弱→強→弱の意識が必要ですし、当然Bは音価がやや長めになります。

アーティキュレーションはアクセント→テヌートアクセント→スタッカートのように変化します。スタッカートよりはマルカートのイメージを持つほうが曲調には合うようにも思いますので、バンドでどんな表現をしたいのかしっかり共有すべきでしょう。

このような要素から、自然にダイナミクスも発生しますね。

こういったところをバンド全体で共有できているのか、、審査員はよく見ている部分です。


曲はカデンツですが、ちょっと雰囲気が異なるのが、ドミナントが高いこと。

通常はトニックより低いほうがより終止のニュアンスが強調されますので、ここ第1幕の終了といった雰囲気が作られている訳です。

演奏でもそのイメージを大切にしましょう。

そして、すぐに第2マーチが始まるわけですが、ここで雰囲気を変える起爆剤になっているのがシンバル。

シンバルの音色によって一気に場面が転換しますので、この1音をどのように表現するのかこだわってほしいところ。



今回は練習番号Aについての解説でしたが、いかがでしたでしょうか?

ここまで、課題曲4番で伝えたいことのほぼすべての要素は出てきていると思います。

場面によって解釈が変化したり、和音構成も変化したりと後半も重要な場面は出てきますが、まずは曲の基本となる第1マーチをしっかりと作ることが大切になります。


繰り返し演奏することで音も成長するし、曲も成長します。

この記事を参考にしながらコンクールまで成長を続けてもらえると嬉しいです!


質問や拡散、大歓迎です!笑





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