吹コン2024 課題曲4⑤
- regene2024
- 2024年6月11日
- 読了時間: 4分
練習番号Bからの解説です。
第2マーチですがここから曲調が変化しますね。マーチの雰囲気が無いようにも感じますが、「マーチ」をどのように捉えるのかが重要になりそうです。
マーチ=行進曲 これは正解です。視点を変えたいのは「誰の」行進曲なのか、
答えはスコア冒頭に書かれています。
作曲者のコメントに「失敗を恐れずに前進する人を讃えたい」とあります。失敗を恐れずということは、山あり谷ありの物語が背景にあることが想像できます。
つまりはこういうこと↓

漫画やアニメ、映画などによくみられる王道展開!!
起承転結や序破急といった、主人公を通した物語の展開であり、フロンティアスピリットにおけるマーチとは「物語が進んでいく様」を現わしていると考えます。
物語の変化なのでマーチっぽさが無くても全く問題はないんですね。
当然リズムやテンポといった要素は抑えながらにはなりますが、あまりマーチを意識しないほうが練習番号Bにはふさわしいと思います。
前置きが長くなりましたが、第1マーチが縦を意識した曲調であるのに足して、第2マーチは横の流れが主体となります。
主旋律はアウフタクトの連続。物語なら「前に進みたくて頑張るけど思うようにいかず、気が焦っていく」といったニュアンスでしょうか。
更に、ここまでE♭durだったものがBからはE♭mollに変化しています。
トランペットのG♭がその変化を現わす音になるので、音程や音価が特に重要な1音になります。
フレーズで見ていくと、9小節かけて徐々に圧をかけていく≒クレッシェンド、46小節からすこし落ち着いて、49・50で軽く持ち上げて51・52に完全に落ち着く流れ。
ここはダイナミクスを発揮する部分ですが、徐々に上げていくクレッシェンドではなく、段階的に上げていくイメージのほうが良いかもしれません。トランペットの旋律が階段状になっているのが理由です。
46小節目からはどの団体も間違いなく練習するでしょうからあえて解説不要な気もしますが、ここの和声とフレーズ感はものすごく大切!
それと吹き分けですね。
意外と引っ掛かりそうな罠が52小節目の音価!
前振りは3rdクラリネットと2ndアルトの49小節目のテヌート。
ダイナミクスと合わせるテヌートは珍しい気がします。ニュアンスとしては少し押すような感じになるのか思いますが52小節目は明らかに引くところ。
なので音価が短くなりやすいですが、展開を考えると53小節目のスネアまで音がつながることが望ましい部分。
46小節目からはバンド全体でどんなサウンドを作りたいかしっかりとイメージを共有することが大切です!
私がレッスンでよく口にしていますが、「臨時記号は大切な音」です。
練習番号Bからはmollになっているので特に音程が重要になります。
特に第3音ですね。中学生だと非常に難易度の高い課題にはなってしまいますが、練習番号AとBでは多くの変化が起こっています。
物語が揺れ動く様を現わしているようですね。
一つずつ音を確認しながら何度も合わせていくことが大切です。

その他の要素で個人的に面白いと思うのがテナーとユーフォの対旋律。
物語で例えるなら、主人公(トランペット)の歩みを妨げる敵(テナー・ユーフォ)みたいな感じです。
ここの表現をどのように解釈するのかはバンドによって差が出てくると思います。
なので、この部分に関しては個人レッスンなどでアドバイスしていきます。
ホルンとパーカッションによるシンコペーションも面白い。
更に低音群もシンコペーションを軸にした動きをしています。
このメンバーの駆け引きもしっかりとイメージをそろえる必要があります。

最後に、46小節目からはE♭durに戻ります。
52小節目はドミナントであるB♭で終わりますので、フレーズとしては収まりつつ、次につながる雰囲気を残しましょう。
今回は練習番号Bについて解説しましたがいかがでしたでしょうか?
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